書き起こしを探している方をお見かけしたので公開します。
誰か大前さんのセッションおこしてる人いないかな、端々で色々な時流について気づきがあった。最近はMSがスリップしてるけど〜のくだりは、あぁエンジニアじゃない人にはそう見えてるんですねとは思ったけど(スゴい勢いで地面蹴ってまっせ)
— 真吾 (@yoshidashingo) June 2, 2015
ほんとうに気づきの多いお話でした!
なお、@yoshidashingo さんが上記ツイートで仰るとおり、「PCでは9割のシェアを持っていたが、すべてのデバイスを対象にした場合にはわずか14%のシェアしかない」として守りから攻めに転じたマイクロソフトの変化には目覚ましいものが有ると思います。
2035年、その時デベロッパーはどう生きるか
株式会社ビジネス・ブレークスルー 代表取締役社長、
ビジネス・ブレークスルー大学 学長、大前研一さんと
息子で、株式会社クリエイティブホープ 代表取締役会長、
ピコもん株式会社 代表取締役CEO、大前創希さんの
2035年のデベロッパーの生き方をテーマにした対談の文字起こしです。
通常の文章が大前創希さんの発言。
引用で表示しているのが大前研一さんの発言です。
本文
2人で初めて登壇になりますが、
今日はこの場所で、2035年、
その時デベロッパーはどう生きるかをテーマにお話したいと思います。
茶の間のようにということで、
普段とは違う口を滑らせる大前研一を、
私、息子の大前創希が引き出していきたいと思います。
20年後を考える
まず今、2015年を見て行きたいと思います。
これは先月ぐらいに取った写真です。
(スライドに映し出されるお二人のお写真)
20年後を見てみようと思って、
(ツールによって”年をとった”お二人のお写真)
61歳と92歳になります。
お父さんはあまり変わらないですね。私は顔が深くなりました。
20年後を想像して、20年後に流れそうなニュースを想像してみました。
こんなことが本当にあるかないか、お父さんはつっこんで下さい。
年金受給年齢80歳に引き上げ
そうだね。それか、もらえないかだね。
(2035年を境に、受給者の年金を支える現役世代が少なくなってしまうというスライド)
日本は世代間の抗争が起きて高齢者は切り捨てということになるのではないかと思います。
スウェーデンはそうなりました。
アジア近隣地域からの移民受け入れ枠を拡大
これはしないと、アジアじゃなくても良いのだけど
高齢化で労働者が減っているので、入れないといけない。
消防署にも自衛隊にもひとが居なくなる。
移民は避けられないと考えないといけないですね。
仕事は安価な地域へと流れていっていますが、既にペーパーワークはインドやフィリピンに移っていっています。
こうした動きは拡大していくんですかね
アメリカなんかの電話会社はファシリティなんかもインドに行っていて
建物ごとインドに行く、というようになっていく
最初はアイルランドに仕事が移っていくということが25年ぐらい前にありましたが
これから世界的にペーパーワークは標準化すると思います。インドのコールセンターはアクセントが強くて、アメリカの金融なんかでは気づかれて怒られるけど
フィリピンだと気づかれないから、マニラとかにコールセンターが集中している。
国土交通省 高速道路における人の運転を全面禁止に
もうちょっと遅いだろうけどこうなるだろうね。
自動運転の時に一人だけ変な運転をする奴がいると困るから
こういう風になっちゃんじゃないかなと思う。ただ僕みたいに周りに警察が居ないとしゅっと行っちゃうと
ちょっとその話はとめて、オフィシャルには出来ない話ですね!
(きっとアイスブレーキング、冗談です (・ω<) )
iPhone26 ワトソンによる自動SMS返信機能実装
ワトソンというのは、IBMの人工知能です。
奥さんとの会話もこれで出来るようになると助かる。
言い訳なんかも考えてくれて。言い訳できる家庭がいいわきゃないとか
冗談も言ってくれたりもしたらいいね
人類最後の野球審判 本日引退
審判はビデオ判定すると半分ぐらいひっくり返っている
審判は神聖と言われて来たが、全然神聖じゃなかった。
“申請”すると覆るっていう。
もっと早く変わると思います
どこからこれらの話を持ってきたか?
「今後20年ですべての仕事の47%が自動化される可能性がある」とエコノミー誌が予測
代替される可能性の高い仕事
・受付、レジ係
これは可愛い女の子が居たほうがいいと思うな
でも、派遣のひとは、うちの受付なのに私のことが分からなくて
私が名前を書かなくてはいけなかった。そうなるとペッパー君だったりするといいかもしれないね。
ペッパーくんは顔を覚えてくれる。
・スポーツに審判
・保険鑑定し
・融資担当者
・オーダーを受けるスタッフ
・組立ラインスタッフ
・データ入力社
・写真処理労働者および加工機オペレーター
・税務申告社
・時計修理行
・数理技術者
・
・
税理申請は、スウェーデン(記者注:聞き間違いの可能性あり)ではシステム化されて
税理士の仕事はなくなってしまった。
税理士団体などから反発はなかったのかと聞いてみたら、
税理士の賢い人達は他にも仕事があるからと、他所に行って文句も出なかったとのこと。
日本で話したら文句言ってたね
1995年はどうだった?
お父さんは “インターネット革命” という本を書いています。
この本を書いた時、インターネットはパソコン通信ぐらいしか無かった。
ロータスのクローズドユーザーグループで社内会議とかデータ共有とかをやり始めた。
その時にインターネット革命で、予測を書いたものです。ほとんどの経営者が、「僕達が生きている間はこうならないよね」といったけれど
Windows95がでて、むしろ5年後には、この本自体が古い。と言われるようになりました。そういうことを考えてみると
95年と2000年の間がものすごい大きな転換点だったと思います。
20年前予見できていなかったこともたくさんあるんだなと思いました。
ビデオオンデマンドの話なんかも書かれているけれど
消費者にとってのビデオオンデマンドはまだまだ早いとか書かれていましたが
AWSによって出来るようになってる
そういう予測できなかったものはどう思いますか
ジョブズがダウンロードを1曲ずつやって、SONYはそれに乗り遅れたわけだけど、
いまはストリームに置き換わっていて、ダウンロードで勝利したはずのAppleさえも
ストリーミングに遅れてしまってBeatを買わなきゃいけない、本は読み放題、40万冊は読み放題で1ヶ月、音楽も映画も
そんなこと言われたら個々のクリエーターはどうしたらいいのか(印税が減って)
あっという間ですね。オンデマンドどころじゃなくて、ダウンロードどころじゃなくて、
そしてただストリーミングどころじゃなくて、
パンドラなんかは次々聞いてるとおすすめの曲まで出してきて、
聞いているうちに自分のチャンネルが出来上がる。でも、ベートーベンと八代亜紀を一緒に聞く人は滅多に居ないみたいで、
僕にはレコメンドは当たらないね
20代とかのみなさん、今の大事なお話ですよ、
ベートーベンと八代亜紀を同時に聞けるレコメンデーションが欲しいと。
でも当時、これらを予測しなかった経営者たちは、
どれだけ取り残されたかということですね
ヒエラルキーの崩壊が起きるとも書かれています。
誰が言ったかが重要になると
そうなると経験とかじゃなくて、その情報を持っており、
知識を持っており、判断力を持った人の意見が重要になってくる組織のポジションによらず個人が重要になっていく。
世界ではそうなっていますが、日本では上下がある。
そういう組織はそれだけ遅れて行っている。私はロータスの新しいシステムを見て、
こういう時代が来て、世界中のグループでディスカッションをするのだと
ロータスをやってた同僚からデモを見せてもらったときに、衝撃を受けていた。今は普通になっている。
まさにそういうコンセプトで大学を作った。オールサイバーの大学。
あのへんが原点で構想の中に入っていた。村井さんも慶応で藤沢キャンパスでこういうことをやっていました。
この本の中に村井さんとの対談も入っていましたが。ネットの技術者が言っていたのがユビキタスですね。
今言っていると、時代遅れと言われるけど
パケット通信網が世界に引かれていて、当時の私たちから言えば憧れのユビキタスです。それを使いこなしていない企業が多いですが、
どんな世の中に言ってもパケット通信網はあると、
ネットはどこに言っても同じようなことができるようになる。
私の娘、長女と孫の話で出てくるのが、iPhoneでネットに通じないと、衝撃的な話になる。
当時はネットにつながらなくて当たり前だったのに、今は繋がって当たり前。
私当時原稿を書くのはファクシミリでした。その前はテレックス。
よるファックスが届いて起こされて、原稿の収支を明日まで。
今は絶海の孤島にいてもやりとりできる。
逆に言うと仕事が追いかけてくるように成った。
BG / AG という言葉が出てきます。これは何のことですか?
これ懐かしい言葉だね
ビフォーゲイツとアフターゲイツ
キリスト登場前後ぐらいのインパクトが有るということ。
コンピューター技術者じゃない人間でもゲイツによってコンピュータを使うことが出来るようになった。
それで一般企業のひとの生産性も大きく変わった。
そのマイクロソフトが、時代からスリップし始めているのも面白いことだと思います。
Do more better
昔は比較級で言えるモノコトは、日本がチャンピオンの時代
昔は日本が貿易戦争で勝ちすぎて、
アメリカにやめてくれと言われてた。答えがあるものは日本が得意だった。
これが89年12月から長期低迷に入る。21世紀に入るとガラッと変わって、方向そのものが違っている。
より早くやったら、早く壁にぶつかっちゃうだけ。リーダーがおしりをひっぱたいて前に早く進めばよいのではなくて、
方向を示すのがリーダーの役割になった。
ちょうど今、話しに出たように
20世紀型の人材と21世紀型の人材というのが有ります
20世紀型の人材:ケーススタディー
21世紀型の人材:リアルタイムオンラインケーススタディ
教材として実社会のケーススタディ作るのには半年かかって
使えるようになった頃には、そのサンプルの会社が潰れてしまっている。
生徒3人集まると教師よりすごい。
先生その会社もう無いですよって言われてしまう。
例えばポラロイドとコダックの戦いのケーススタディーは、今やっても意味が無い。リアルタイムでものを考えないと、リアルタイムこそリアル。
ケーススタディというものが時代遅れ。
デンマークではteach(教える)という言葉は言えない。
21世紀は答えのない世界。teachというのは答えを教えるという意味。
もはや、答えが教えられないのになぜ先生というのか。ファシリテイターなど、勉強することをお手伝いする、という表現をする。
うちの大学の広告も教えない大学と書いてあります。
いろいろなものを提供するけど学ぶのはあなたです。わからないことがあったら先生に聞く?
いや、先生の言うことを全部聞いたらバカになる。
teachとLearnはものすごい違いがある。教える、学ぶ、覚える、ということでは21世紀は通用しない。
うちの学校はカンニングしても良い。
世の中に出てビジネスをしようとしたら、
沢山の人から話を聞いた上で、これが良い、あれが良いと判断する力が必要。ありとあらゆるひとと相談してこう思いますということが大事なんです。
ただ、そうやって集団知でやって良い論文を書かせるが、
一人ずつ違う問題を2時間で800字書かせるという試験もします。We are smarter than me
そういう本も出ているが我々はまさにそれを信じています。
私は父がこう言っているので、
上が言っていることを理解できない人間になったんだなと改めて思いました。
20世紀型:アカデミックスマート
21世紀型:ストリートスマート
松下幸之助さんみたいに、小学校しか行ってないけど
ものすごい判断力があった。
あれはストリート。アカデミックスマートは先生の言っていることを全部勉強したと。こういうのが役人、やくにたたず。
学校の先生が言っていることを全部覚えたとしても今の問題には役に立たないし、
オバマに中東どうするのと聞いたら┐(´ω`)┌だよね。フロリダ知事(ジェブ・ブッシュ:ジョージ・W・ブッシュの弟)が、
あなたならイラクに行きましたかと聞かれて
今の大統領候補としては、自分だったら行かなかったと、言わなければいけなかった。アメリカが世界のリーダーならアメリカが方向示せと言われたら、自分で考えないといけない。
幸之助さんは早く社会に出て、答えを見るけるまで人に聞くという人。
ストリート・スマートと、アスクエブリワンと、
Learn、リーダー、ネットワークとか、どれも同じことであるように思えてきました。
SANYOは、幸之助さんの奥さんの弟が
松下に居たけど、喧嘩別れして事業始めた。「自分は中学まで行って勉強しちゃったから、小学校までしか行っていない幸之助には敵わない」
といって、インド太平洋大西洋は自分が先にやるぞと言って出て海外に進出していった。
そのSANYOが、松下に買われてパナソニックになっちゃった。
因縁を感じますね。それぐらい、世の中に早く出て肌で感じるということは大事ですね。
自分で考えて人といろいろコミュニケーションして
自分で答えを導いていくという人間像がこの時代に求められているということですね。
今日はクラウドということもあるので、
お父さんはクラウドのセミナーにもたくさん出ていると聞いているので、
クラウドの話を聞いてみたいと思います。
クラウドコンピューティング、クラウドソーシング、クラウドファンディグ
クラウドコンピューティングはCloud(雲)、
クラウドソーシングはCroud(群衆)、
クラウドファンディグはCroud(群衆)
英語では通じないギャグになっています。しかしこの3つは重要で、一緒に考えたほうが良いものです。
小は大を制す可能性がある。
クラウドを使うことで、大会社や先に行っている人を、個人でも小さな会社でも田舎でも、克服する可能性がある。
キックスターターとかあるが、最近一番面白いのは時計、24億円集めています。クラウドファンディングは資本家を募集するが、同時にこういう商品を作りたいので出来たら送ります、という
エンジェルにとってみると、面白いアイディアがたくさんあって、
面白いアイディアには、24、5億が集まるようになって来た。地方納税で牛の牛肉がもらえるとかみたいに、
クラウドファンディングも機能するようになっていている。それからクラウドソーシング、これは恐らくもっとも重要なやり方。
自分の目の前じゃない人、見ず知らずの人に仕事を手伝ってもらうというやり方。
お父さんは実際に発注したことが有りますよね
oDeskというのを使ってる。世界ではそれがデカイ。
日本では吉田さんのところのクラウドワークス。私なんかだと、日本語でパワーポイントを作る。誰か英語にしてくれないかなと思った時に
こういうのに出すと、一斉に私がやりますという人が来る。
半分が日本人。海外に行っている、学生の頃は旦那より成績が良かった奥さんがやってるんでしょうね。
依頼する側からは作業に応募してきた人のことは見ず知らずでわからないけど、
評価が付けられていて安心して頼むことが出来る。
訳して欲しいスライドの最初の3枚を5人に送って、一番よい人に残りをやってもらう。福島第一原発の分析も280ページ、oDeskを使ってやった。
皆さん会社のパンフレット使ってマレー語にしたいとかロシアに売り込みたいとか言う時にこれを使うと一瞬でできます。
日本でやるより安い。しかも早い。こういうのは、使ってなんぼ。使ってみるということが重要です。
もう少しサイエンティフィックなところでは、ナインシグマとか有ります。
クラウドソーシングでは、そのプラットフォームにどういう人が集まってるか知って使っていくのが良い。もう一つクラウドソーシングじゃないけどLinked.in
エンジニアのプロフェショナルたちが集まってて
会社辞めたいと行ったら、紹介したり内に来てくれないかと言われたりしているうちに、
リクルートやアデコのような、この領域で持って人材紹介では圧倒的に強い。入ってる人は少ないけど時価総額が高いのはそういうこと。
“プロの同類の人”が集まっている。普段チャットをしながら能力や考え方を知っているので、
彼みたいな人が来てくれたらいいのになという話になるそれから、クラウドコンピューティング
Amazonが、その他のクラウドコンピューティングの会社を足したよりも強いことが分かって
証券取引所では、Amazonの価値を誰も計算出来ない。ジェフべゾフは赤字でもやっちゃうから、
そのへんがディスカウントになっているけど
これ握ったのはデカイ。自社の事業をやっていく延長で、
気づいたらバックエンドが充実していた。
“今の時代個人が全て、価値はステージ演出で決まる”というのは?
20世紀はグループで皆で団結して皆でやることが大事だった。経営者も大事だったが
21世紀になって、ジョブズが死んで、こんなひとはもう出ないと言われていたが、
イーロン・マスクが出て、ジャックドーシーが出て、ジェフべゾフがでて日本が負けて居るところは、そういう個人がやっているところ。
土地ですごいところは、
ボストン、ノースカロライナ、シリコンバレーが注目されていて、かつて私も行った。
第4極はワシントン郊外、などとも言われていたが、今は一箇所。シリコンバレーだけになった。シリコンバレーというかベイエリア。
スーパーエンジェルと言われた人たち、Netscape作った人とかが鼻効きでお金も持っていて、
シリコンバレーのスタートアップにどーんと金を入れる。そうすると、弁護士が付いて、あっという間にファンド集まってくる。
ただ、シリコンバレーは住宅が高かったり、暮らしにくいので、
サンフランシスコの方にうつりつつある。
シリコンバレーからサンフランシスコにかけての一帯、それがベイアリアです。シリコンバレーに多い3大外国人は、
インド、イスラエル、台湾出身者。台湾のひとは、
システムを作る時にシステムだけじゃなくてモノも作りましょうと、中国を上手く使う。
彼らはチャイワンと呼ばれている。日本企業はそこに部品を供給する立場という、いまはチャイワン圧勝になっています。
チャイワンの人たちには、母国に帰って中国を使いまくって勝つ人もいるし、アメリカにずっといる人もいる。シリコンバレーには、インド、イスラエル、台湾、そのほか東欧系の人が集まってくる。
これはステージ。
世界中からタレントを集められる場所はアメリカの中で一箇所になってしまいました。これがステージ演出の価値です。
部分的にはエストニアなんかでスカイプの開発なんかもしているが、非常に限られている。
2035年 その時ディベロッパーはどう生きるか
ソフトウェアの熟練工になるな!ということです。
これには2つのポイントが有ります。
熟練工はマシンの仕事になる。
発想、構想、コンセプトを作っていく仕事が重要になる
マシンの仕事になる手前に、エキスパートになるだけだと、仕事は安い国に行ってしまいます。
これが最初に観察されたのが、アメリカのソフト開発会社大半がインドに行って、今は世界に広がっている。
同じ仕事なら、コンピュータプログラミングには、標準があるので、
標準でやっている限りにおいては単価が安いところに行くことになる。IBMに頼むと月300万円、安い会社だと60−80万。
ところが、6万円でやってくれる人が世界に入る。かなり高級なシステムでそれを安く300万、500万といっても、
十分ベラルーシなんかでは20万で行ける。
ソフトウェアをやっていくのは安いところに流れていくe-hubという会社があるがお客さんのオーダーを解釈して、oDeskとかに投げる
機械やシステムにアービトラージされる仕事の熟練工になったらダメ。キーは、新しいことを思いついて新しいものを作るか、
Appleのように、自分でOSまでつくって、
ただしそこから先のマシンに変えていくところは鴻海なりに頼んでしまう。
新しい価値を生み出す力、価値を産み、高める仕事は、
マシンへの置換えが極めて難しいということですね。
海外の時計メーカーのひとは、
日本のの時計メーカーはなぜそんな安く時計を売るのか、という。
日本のほうが精度が高いのに、日本の時計のほうが安い。これは価値の付け方。
世界のスーパーリゾートには、一泊16万円で食事がついてないとか、50万とかもある。
でもそういうところは、すごいシャンデリアがあるとかじゃなくて
テントだったり、ローカルな人が作ってくれた木材だったりする。そういうのに20万30万払う。他ではないものにお金を払う。
新しい価値を生み出すというのは、都市ホテルにつかれた人にとって、
水上ホテルに泊まる、テントに泊まるということが新しい価値になる。これからは値段の競争ではなくて価値の競争になる。
その価値を高める仕事は、人間にしか出来ない。
そういうのがシステムでもコンサルでもあるわけで
そういうものを生み出す力があると、強い。
ディープラーニングが流行りで、
色々ラーニング出来ているのが楽しいといっている友だちがいるが、
どうだろうか
コンサルをAIに置き換えるということをずっとやってきているが確立されない。
簡単にできるようになったら差別化ができなくなってしまう
皆が出来るものを作っちゃったら差別化の要因にならない。airbnbという会社があるが、相手のものを使うというShareの仕組みを提供するサービス。
息子が育って使わなくなったあの家をだれかに貸そうか、というように使うことが出来る。
そういうものが宿泊業の世界の5大チェーンの5番目に入ってきています。事務所のサブレントをやっている会社も伸びている。
1日事務所を作ってデポジット置いてどうのこうのとかやらずに
ネットで頼んだら自分の事務所になる。シリコンバレーの会社はこれでニューヨークとかに一気に視点を広げられるように成った。
今まで考えられそうで誰もここまで持ってこれなかった。
急に持ち上がったのはなんで?
事務所に行ったらものすごい便利さがある。
ビールがタダで出てきて、いろんな事務所の人が出てきて和気あいあい始めるとか
部屋のグレードがあって、選べる。
人が便利だと思ったりするものはなかなか出来ない、
自分で考えないとサービスとして立ち上がらない。
Ubarは色々法的な問題を起こしているけど
世界では使う人は使いたがるし
日本でも規制がないところは広がっている。実行して、1年2年でいかに実現するかという
スピードは2年、3年やってものになってなかったら考えなおしなさいと
せっかくなので残り、1名だけ質問を受けたいと思う。
どなたか質問を、あればお受けします。
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先ほどのお話で、世界の平準化がすすんでいると、その中でどう価値を出していくかというお話でした。 そのような変化の中で、おじさん連中は、どう生きていくのが良いのでしょうか。 私のような、Windows95から激変した世界を既に経験した世代は、 次の10年になにが必要でしょうか。 |
ひたすらいじりまくることです。体感することです。
今日出てきたようなサイトでも、自分として実感にする。それから、友だちをつくる。
同類じゃなくて、とんでもない感じのやつがいい。
自分と思想が反対とか、年齢差があるとか。それから、いじりまくるといったが、サーフィンするんじゃない。
「1日かけてこのサービスを調べる」とか。そういうもの。ソフトバンクの孫さんは時間差攻撃で大分上手く行ったと言っているけど
世界で急速に延びているサービスとかを自分で身体で浴びる。
これが非常に重要だと思う自分の体験として浴びると、
10年たったらものすごく幅の広い考えができるようになると思います。
最も強いものが生き残るのではなく元も賢いものが生き延びるのでもない
唯一生き残ることが出来るのは変化できるものである。
ぜひ次の20年、変化できるものであってほしいと思います。
以上
2 thoughts on “AWS Summit Tokyo 2015 大前研一 2035年、その時デベロッパーはどう生きるか”